壁に穴が開いた時、皆さんは誰に頼みますか。マッチングプラットフォームなどで修繕業者などを探す機会が増え、便利でスマートに見えますが、過剰請求も増加しています。便利になった世の中ですが、手順を間違えると悪徳業者へ出会う可能性もあります。
その問題を解決するためにココッチョが誕生しました。料金を一律化にし、お客様と業者のやり取りはLINEで完結することができます。独自の教育システムを開発し、壁穴修理職人の育成し、雇用を増やしています。地方から人材不足を解消しながら社会問題を解決することが可能であり、今後は世界へビジネスを広げていくことを視野に入れながら発展を続けているココッチョ。日常のちょっとした問題解決をビジネス化したこの事例も質的価値に繋がる事例と言えます。

『質的価値のポイント』
①深刻化する職人不足を解消するためのシステム作りを完成させている点
②場所を選ばずにどこでも事業展開できる教育システムの構築を実現させている点
③LINEなどを活用することにより、手軽且つスピーディーな問題解決ができる点

兵庫県・高砂市 株式会社SUGITA 代表取締役社長 杉田 暁 氏

【背景・課題】建設業界の職人不足を解決する

人口減少が叫ばれている昨今、建築業界でも地域密着型の大工や内装業者が減少しています。職人の数が減少しているのです。職人不足は建設業界が抱える課題ではなく、社会全体が抱えている課題であると杉田さんは言います。壁に穴が開いた時、皆さんは誰に頼みますか。昔は町の大工さんなどがいて、すぐに直してくれることが可能でした。しかし、現在は、修繕を依頼するためにマッチングプラットフォームなどで修繕業者などを探す機会が増えました。一見、便利でスマートに見えますが、マッチングすると修繕し終わった後に相場よりも高く請求するケースが多発し、値段の相場がわからない一般の方からすると相場よりも高く支払っている過剰請求が散見していました。昔よりも便利になった世の中ですが、手順を間違えると悪徳業者へ出会う可能性もあります。

【手法】「ここちょっと直して」「すぐ行くね」が実現する社会へ

「ここちょっと直して欲しい」と思う人に最適な「低価格で手軽に安心して頼めるお家の修理サービス」を提供したい。その想いから生まれたのが「ココッチョ」です。特に«壁穴»に特化した修復サービスを添加しています。「ココッチョ」はお客様とのやり取りはLINEで完結、料金は16,500円/1カ所、完全定額料金で安心して頼めることを実現させております。それを可能にしているのはリペアメンバーという独自の仕組みです。リペアメンバーとは、壁穴の直し方をリペア職人から教えられた元職人や別業種の職人、DIYが趣味の一般の方に独自の教育制度を用いて、育成することで、地域の生活に密着したたくさんのリペアメンバーを生み出すことができました。

【プロセス】LINEを活用した独自のサービスと品質向上

大手建材メーカーで勤務をしていた杉田さんにとって職人不足を解消するために立ち上げた事業でしたが、現実は職人になるには3年は耐えなきゃいけない、10年で一人前が当たり前の世界。当然、マニュアルなどなく、体験しながら学んでいく環境下で、職人を目指す若手は年々減少傾向にあり、社会問題と感じていた職人不足の実態を痛感しました。そのため、リペアメンバーの確保は難しいと評価されており、人材派遣会社に求人募集を出したりしましたが、「ココッチョ」の特性を活かしたSNSを活用した独自のマーケティングへと変更することで募集は増えていき、必要なリペアメンバーを必要な時に集めることが可能なシステムを構築することに成功しました。
その後、課題にあげられたのは教育システムです。初めは、リペアメンバー希望の方へ半日のセミナーを受けてもらい、数軒現場研修を行っていたので、早い方で1カ月程度の研修期間が必要となり、人財の確保へのスピード感が必要でした。改良を繰り返し、現在ではセミナーと2物件の現場研修を同時に行い1日ないし2日でリペアメンバーとして活動が可能になっています。また、リペアメンバー各々にも自己流があり、壁穴修理に対して技術の平準化が必要となりました。そのため職人さんたちともLINEでやり取りを行いながら、リペアメンバーがリペア職人に直接質問でき、即時解決ができるように新しいシステムを構築し「ココッチョ」の工程を統一することができました。現在は30~40代前半を中心に多くの方に活躍頂いています。



【結果】地方から職人不足解消を

職人不足を解消したいという想いがきっかけでココッチョはスタートしました。よく言われるのは職人人口を増やすのは難しいと言われます。人口が減少している昨今、職人人口を増やすのは現実的ではありません。職人の技術力向上とお客様との接点を増やすことで活躍の機会を創出することができます。高砂市からスタートし、現在は近畿地方を中心に活動範囲を広げ、多くの方にご利用いただいております。ご利用者さんの中にはリフォーム業者の方や工務店の方もおり、ココッチョをご利用後に業務提携を結ぶことも実現できました。今後は日本全国で職人不足が社会問題化しています。特に都会に比べて、地方での問題が顕著ですので、地方中枢都市などを中心にココッチョの教育システムを駆使しながらサービスを展開したいと考えています。

【展望】日本の技術を世界へ

建設業界のトレンドとしてIT技術の進化に伴い、極力人間が造らない状況を感じます。新しいものを作ることよりもあるものを今ある物を長く使っていくことを重要視しているおり、既存を活かした工事をしていくことが今後の展開になるのではと感じます。まさしく、そこに日本の職人技は発揮しどころです。職人にしかできない、しかし、一方では道具や材料が進化した現代では職人技と言われていたことが、一般の方でもできることが増えてきました。その結果、監督する立場の職人が増えていき、その人たちの自由な時間も増えてきました。職人が自由な時間を手に入れたのですが、専門分野以外の知識を学ぶ機会は少なく、自分の知識と技術で新しいことができないかと考えている職人や違う業種や別分野の技術を学びたいと意欲的に考えるも方たちも増えてきています。また、海外から実習生として5年間労働者として働きながら実習生として日本の技術を学び、5年後には帰国し日本の技術を母国へ活かす外国人技能実習生制度があります。日本の技術の高さ、繊細さが海外からも高く評価されていることを物語っていますが、逆に日本人の職人を海外へ派遣することにより、その経験と知識を世界へ広めたいと考えています。
また、グローバルな視野に広げながら、地域の学生とも提携を深めたいと考えています。建設業界を希望する人たちを増やし、深刻化している職人不足が解消し悪徳業者撲滅が近い将来達成できていることを夢にこれからもココッチョを進化し続けたいと思います。