食品ロスの量は570万トン(令和元年度)そのうち事業系の食品ロスは309万トンとなっています。
食べられるのに廃棄されてしまう「もったいない」食品を原材料として、アイディアで新しい付加価値を創出し、新しいものに生まれ変わらせた商品を紹介します。


第2回 株式会社スイベルアンドノット

東京都・武蔵野市 平槙様・日本獣医大学 平岡様

つながりの中で社会をよくする

Q:スイベルアンドノットさんはクラフトビールのブルワリーをやっている中で、発生した麦芽の搾りかすを利用して牛の餌にするということをやられているそうですが、まずは麦芽の残りかすを牛の餌にするということはどういうことなのでしょうか。

A:ビールを作るなかで、水分を含んだ麦芽の残りかすが大量に発生します。これは通常は産業廃棄物として捨ててしまうものです。私どもは地元の日本獣医大学さんと連携して、廃棄物である麦芽の残りかすを牛の餌に利用できないか、という研究に協力しています。日本獣医大学さんでは麦芽の残りかすを「配合飼料」「サイレージ」に改良して牛の餌にする研究をされています。「サイレージ」とは麦芽かすを乳酸発酵して作成するもので、約40%の水分量のある飼料にします。また「配合飼料」も同じですが、水分量が10%ほどの飼料になります。
研究段階ではありますが、いずれ製品化したいと思っています。

Q:どういったきっかけでこの事業が始まったのでしょうか。

A:スイベルアンドノットは地元貢献を大事にしています。ビールがあることによって人と人が繋がったり、人と社会が繋がったり、つながりを作ることを大事にしています。ビール事業を始めてから中央線ビールフェスティバルも始めました。武蔵境にある会社で事業を行っているので、同じ武蔵境にある日本獣医大学さんと連携をしようと思ったのは自然なことでした。
今「地産地消」が注目されている中で、地元で作ったビール、そこで発生した廃棄物をやはり同じ地元で利用する、というのはカーボンニュートラル的にもいいことだと思います。

Q:この事業の先の展望をお聞かせください。

A:今、世界的に食品問題が注目されている中で、牛の飼料にトウモロコシなどの人が食べられる食品が使われることが多いです。そういった中で、もう人の口に入れることが難しい廃棄物を牛の飼料にすることで、食糧問題の解決にもつながります。また農耕飼料の多くを輸入に頼っています。今円安の中で、濃厚飼料を国産に変えていく流れもあり、地元で飼料が作れるようになると国産資料業者の育成にもつながります。そういった社会問題の解決の一助になるような製品の研究にしたいと思っています。