鹿児島県薩摩川内市は、人口減少に伴い24の小中学校が閉校しました。地域の賑わいを維持するためにも、新たな事業による地域の活性化が求められています。この地域は多くの大学を始め、企業チームのスポーツ合宿誘致も盛んである反面、屋外競技における雨天時の練習施設が不足しており施設の整備が求められます。
閉校された学校を活用して、体育館は屋内練習場へ、プールはBBQ施設やイベント施設へ改修しました。床上げの際に大量の土が必要となったので、クラウドファンディングを活用し今回の施設構築の一役を担いました。また、薩摩川市内では里山の環境を悪化させる放置竹林が問題になっており、有り余る竹を、地元の専門学校や障碍者施設の力を借りて使用する竹バットへの活用を考え、野球用品の制作や修繕を行うことでSDGsの一環となりました。
地域の企業や学生を巻き込んで、地域の賑わいの維持・創出、雇用の創造に寄与し、地域の様々な課題を解決する施設を生み出した点が質的価値に繋がると考えます。

『質的価値のポイント』
①廃校となった小学校を改修し地域の若手育成事業へ展開した点
②クラウドファンディングなどを活用し廃材を積極活用した点
③地域課題を新たな価値に変容しながら、障碍者雇用を生み出した点

鹿児島県・薩摩川内市 株式会社 FRONT-A代表取締役社長 福永 幸央 氏

【背景・課題】持続可能な魅力あるまちづくりを目指して

鹿児島県薩摩川内市は、人口減少に伴い24の小中学校が閉校しました。地域の賑わいを維持するためにも新たな事業による地域の活性化が求められています。
薩摩川内市は多くの大学を始め、企業チームのスポーツ合宿誘致も盛んである反面、屋外競技における雨天時の練習施設が不足しています。

【手法】吐故納新・古いものから新しいものへの生まれ変わり

閉校跡地活用し、スポーツ活動を中心とした複合的な施設整備を行うことで、地域の賑わいの維持と雇用の創出に寄与したいと考えました。2018年3月31日に廃校となった旧陽成小学校の「校庭」「体育館棟」「プール」の利活用を行いました。体育館は全天候型の屋内練習場として地域の住民がスポーツの練習する施設として、校庭とプールは地域の賑わいを維持する施設としてBBQテラスへ改修しました。

【プロセス】使われなくなったものに命を吹き込む

体育館を解体する際に多くの床材が産廃として出ます。予算が限られているので地元の専門学校と連携して授業利用する手刻の実習事業として活用してもらい、大工・職人の後継者育成の一環を担うことができました。また、体育館の床かさ上げの為に土が必要となった際には「グランドファンディング」と称して、クラウドファンディングを行いました。そこで手を挙げていただいた地元企業と一緒に山の斜面を削る際に一番初めに出てくる商品価値のない砂を利用することとなりました。プールを埋め立てる際にも同じものを使用し、実際の作業は先ほどと同じように地元の専門学生も交えて実施し、完成しました。現在は多くの団体、特に高校生年代の野球の室内練習場として再利用を実現することができました。



また、竹バットプロジェクトを実施し、竹の伐採・竹林整備を行い、竹の一次加工、二次加工を行いながら「Made in Satsumasendai」の竹バットを作り、従来の木製バットよりも安価なものを使いながら野球の練習に活用しています。さらに、練習で使う練習球(硬球)は、一昔前は1球を大切に選手たちが縫っていたのですが、今の時代、糸がボロボロになったら捨てるのが一般的です。ものを大切にする心を育てた広げたい想いから、障碍者支援施設と連携しボロボロになった糸を元通りに修復し、再利用することで障碍者雇用の創出にもつながりました。



【結果】日々方法を模索して・・・

公共施設に比べると料金面で少し高くなりますが、価値を理解している方へ、晴天時(晴天が続く時期)はイベントを開催や、平日は会議開催、社内交流会のなどにご利用いただいていいます。雨天時、夜間の利用率は高いですが、晴天時や平日日中の利用率は低くなっています。野球などのスポーツ施設としての利用以外の活用が今後の課題となります。大きな収益ではありませんが、着実に収益を生んでいます。

【展望】夢を描き、夢を与える場所を目指して

今後は、ちびっこ野球教室などを開いたりしながら地域スポーツの発展に貢献することや、婚活イベントなどを開催して、地域人口の向上などに一躍貢献できるような活動を行うことで、薩摩川内市の地域の皆さんから愛される場所となることを期待しています。