「フェリア」とは、スペイン語で「見本市」。
山口市の活性化に繋げるために、市内で活躍する多くのクリエイターが参加し、木工、彫金、革製品、ガラス小物、服飾品など、20店舗以上が出展するマルシェ。それが「春日山フェリア」です。山口県庁前から続くパークロードには、県立美術館、県立博物館をはじめ、文化的な建築物、歴史的神社・仏閣が、そこかしこにたたずみ、オリジナルのシルバーアクセサリーやハンドメイドの作品を売る店舗が立ち並びます。このような芸術性の高い山口の文化が住民に充分に浸透していないのではないか。そのような意識のもと、JCI山口のメンバーが中心となり、観光名所をつなぐ役割を果たすことを目指して、地元企業、教育機関、行政と一体となって、「春日山フェリア」を立ち上げました。
過去に3000人以上の来場者を記録した年もあります。地域の「風土・文化」を生かして、地域住民から理解と共感を得ている「質的価値」の創造事例です。

『質的価値のポイント』
①地域の歴史や風土を体現し、いま抱える課題を解決した点
②クリエイターのまちとして象徴を確立
③完全に委託せずサポートとして携わり伴走する運動展開

山口県・山口市 「春日山フェリア」

【背景・課題】新しい価値を生み続けるまち。コンテンツを「線」に

生産年齢人口の減少と消費者の減少により経済の縮小が懸念される一方で、AI技術の進展による単純作業の減少、それに伴うクリエイティブな技術、仕事が注目されています。
山口市は「大内文化」の名残もあり、芸術性が高いエリアです。しかし、市民の山口=クリエイターのまち」という意識が希薄。また、瑠璃光寺をはじめ観光名所がいくつもある。それらの集客力のある「コンテンツ」が点在しており、それらを繋ぐものがなく、せっかくの資産を活かすことができていません。

【手法】他のまちに真似できない取り組みで派手にやる

「自分たちのまちを元気にする」「目の前の課題を解決したい」と考えたとき、経済効果が見込めて、交流人口を増やせる祭などを派手にやること。しかし、自分たちの歴史や風土に根差したものでなければ持続性はない。山口には素晴らしいクリエイターの方々がいて、他のまちには真似できない取り組みをやれると分析した。

【プロセス】たこ焼き屋は入れない

出展者を呼べば、わかりやすく来場者が増えるし、滞留時間を長くできるメリットが多い。ただし、この方法で人を呼んだところで、持続可能な事業になるのかを考えた。
あくまでも「この道でご飯を食べていくんだ」という強い想いと覚悟がある方々にのみ、出展を相談した。そんなクリエイターとそのファンが集うことにより、さまざまな情報がシェアされ、コラボレーションのきっかけも生まれ、「同じ目線」を大切にした。

【結果】

革製品や木器、彫金、ガラス小物や衣類などのクリエイターのほか、イラストレーターや菓子店などの13店が一堂に会し、約3,000人以上が来場するイベントとなり、現在は行政や教育機関、企業を巻き込み他団体に移管、JCI山口としては「伴走」する形でフォローを継続している。

【展望】東京に行かずとも、山口で勝負できる

「ミニフェリア」が山口のまちの至るところで行われている将来をイメージ。カフェに数人のクリエイターの作品を置き、見たり触れたりして気に入ったら買っていただけるようにする。同時に、彼ら・彼女らにわずかでも出展料を支払ってもらうことで、まち全体で経済を循環させる。そんな拠点を点在させ、各所で開催できれば、山口外のクリエイターもお店を出したり、学生が勉強しに来る環境を目指す。






質的価値創造 × 日本の新時代ビジョン
日本青年会議所 × PHP総研
『Voice』2021年6月号掲載
(引用記事はこちら)